音楽が心や身体のクスリ

音楽はいつの時代も人々を魅了し、生活の一部として親しまれてきました。それだけではなく、音楽が心身にもたらす良い効果についても昔から人々は認めてきました。例えば旧約聖書の中には「ダビデが王様サウルのうつ病をたて琴を演奏して癒した」という記録が載せられていますし、古代エジプト人が音楽を「魂のクスリ」と呼んでいたことも分かっています。

 

さらにギリシャの哲学者アリストテレスは、音楽には心身の悩みやうつ状態を改善し情緒を安定させる力があることを説きました。確かに疲れた時やリフレッシュしたいと思う時には音楽を聴きたくなるものです。それは音楽には人の心や身体を回復させるクスリのような働きがあるからです。モチベーションが上がらない、やる気が起きない、ストレスで押しつぶされそう…そんな時にこそ音楽を積極的に取り入れて聴くことで、心や身体の痛みや不安、心配を緩和させていきたいものです。

 

科学が証明する音楽のチカラ

音楽になぜそれほどの心身の健康を取り戻すチカラがあるのでしょうか。それは科学的な証拠に基づいています。一つに音楽を聴くと人の脳や自律神経が反応し、ドーパミンと呼ばれる快感や多幸感をもたらす神経伝達物質の働きを促します。それによりストレスホルモンが減りリラックスした状態を感じることができるのです。さらに心だけではなく体の免疫を高める効果も音楽にはあるようです。

 

ある研究者たちが300人の人に50分音楽を聴かせ続けたところ、血中に含まれる抗体物質が増えたという結果が導き出されました。また、運動をしている時に音楽を聴くと代謝が良くなることも明らかになっており、ダイエット効果も期待できることが分かります。

 

 

福祉や医療の現場で用いられる音楽セラピー効果

このように音楽には人の心や身体を癒す力があることが研究によっても分かるようになり、医療や福祉の場で音楽療法が積極的に導入されるようになってきました。そうした音楽セラピーにはどんな効果や作用があるのでしょうか。

 

おもには精神的な病を抱える方の心のケアが行なわれ、その人に合った音楽を探して気持ちを癒したり落ち着かせるアプローチを行ないます。さらに認知症患者、小児まひや自閉症などの脳障害を持つ人たちと歌を歌ったり、演奏に合わせて体を動かすよう促すことによって運動機能を回復させていく効果もあります。実際、この音楽セラピーを通して、患者のストレス解放や、痛みが緩和されて体の調子が改善された、という良い効果が報告されています。

 

まとめ

音楽が人に及ぼす効果は計り知れません。これからもその研究は進められていき、音楽を用いたセラピストもますます必要とされてくるに違いありません。

 

日本では民間資格になりますが、”音楽療法カウンセラー”や”メンタル心理ミュージックアドバイザー”という資格を自分で学んで取得することもできますので関心のある方はインターネット等を通して情報を得てみてくださいね。

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